- 血液中の甲状腺ホルモンが増えると、手が震える、胸がどきどきする、汗が多く出る、イライラする、暑がりになる、痩せる、下痢、月経不順、体温上昇といった症状が出てきます。どれか一つの症状だけ現れるのではなく、普通は複数の症状が同時に現れます。甲状腺機能亢進症を引き起こす病気としては、バセドウ病、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎、妊娠一過性甲状腺機能亢進症があります。
甲状腺疾患は若年女性に比較的多く、甲状腺疾患をお持ちの方が妊娠・出産を経験することは甲状腺疾患を数多く診療していると、非常に多く経験いたします。バセドウ病や甲状腺機能低下症・慢性甲状腺炎で治療中の方でも、状態が落ち着いていれば妊娠することに問題はありません。しかしながら、妊娠中や授乳中では、使用する薬物を変更したり容量を調節したりする必要があります。また妊娠のしやすさと甲状腺機能に関連があるということが、最近多く報告されておりますし、産後にバセドウ病や慢性甲状腺炎の病態が悪化することも多くあります。
このように、妊娠・出産と甲状腺機能は非常に密接に関連しております。ご心配なことやご不明なことがありましたら、一度相談してみてください。